In the Hearts of Lords and Warriors
(主と武士の心で)

Description: この曲は徳川家康と徳川秀忠をイメージした交響詩です。秀忠は徳川幕府を開いた徳川家康の三男であり、家康に続く徳川2代将軍でした。将軍としての秀忠の治世の間、実際に国の力を握っていたは大御所の家康でした。

この曲は慶長5年9月15日(西暦1600.10.21)関ヶ原の戦いの朝から幕を開きます。 運命的な声の始まりが、この戦いの重要性を表します。この戦いの勝者は日本のすべてを獲得します。曲の中の戦場では徳川家康の姿をオープニング直後のメロディで表現しています。また、遠い場所から父が戦う戦場へ急いで向かってる秀忠の姿を軟らかいクラリネットで表現しています。

ティンパニーと銅鑼の音が戦いの始まりを予感させます。そして、軍配が上がらないまま東軍と西軍の戦いが進んでいきます。そんな中、小早川秀秋軍は南宮山から、下でおきている戦いを見学しているかのように全く動かずにいました(リハマークC)。いらだった家康は銃を小早川軍に向けて発射します(66小節目、Dの1小節前のパーカッションで表現)。その後、小早川軍が東軍と共に戦い、軍配は東軍へあがります。遅れて戦場に到着した秀忠は家康に冷たくあしらわれます(76小節目のフルートソロ)。曲のこの部分は秀忠の気持ちを表現しています。しかしこの時、秀忠は武士としての務め、主としての責任、息子として父の期待に応える気持ちを固めました。その後、家康は征夷大将軍になり、2年間勤め、引退して秀忠に将軍の座を譲ります。秀忠の出世を表現するように、メロディはオーボエからフルート(元々家康を表現した楽器)へ、その後ホルンへ変わっていきます。これは秀忠が将軍であっても、家康の子であり、実権は大御所である家康にあることを忘れないようにということを表現しています。そして、この部分の最後はオーボエに戻って終ります。

最後の部分は秀忠の治世を表現します。大御所である家康と共に出陣し、大阪の冬の陣(1614)と夏の陣(1615)で豊臣家を全滅させたのでした。

Composed: 1998

Length: 7'40

Difficulty: Medium

Instrumentation: Wind Ensemble

Sample: mp3